【講師】
高濱 照 先生
九州中央リハビリテーション学院 副学院長
<アブストラクト>
今回,臨床を踏まえて肩の基礎的な話をさせていただきます。肩の基礎として,
1)肩関節の構造を知っている
2)肩関節が動いた時の上腕骨と臼蓋の関係が分かる
3)ランドマークや腱板の触診ができる
などがあげられます。
これらはもちろん全部関連していて,3)の触診を正確に行うには2)の上腕骨と臼蓋の関係がイメージできることが必要です。このイメージは大結節の位置をとらえることができれば可能になりますので,実例をあげながら説明いたします。
たとえば肩内旋位で外転すると,最終域まで挙上できません。その原因として,大結節が肩峰に当たるからと言われています。これは世界中の風潮ですが,実は間違いで大結節と肩峰は当たりません。このように,もし世界中がだまされていても,大結節の位置の把握さえできれば,皆さんがだまされることはありません。
ちなみに内旋位で最終域まで挙がらないのは腱板が捻じれて使用できないからですが,逆に言えば,腱板を使わなくてもある程度上がる,ということになりますね。これは腱板断裂のときの挙上のヒントになります。当日説明します。
ランドマークや触診に関してですが,肩関節運動時の腱板等の位置関係も頭の中だけでイメージするのは大変困難ですので,今回は、実際の解剖の写真や動画を見ながら、触診のポイントを解説したいと思います。
触診のポイントとしては腱板筋を主としますが,腱板以外には上腕三頭筋長頭が重要です。上腕三頭筋長頭のスパズムは肩峰下インピンジメントの原因になると考えています。痛みのある部分に対する治療法としては圧迫法と揉捏法が基本です。圧迫法は15秒圧迫し続ける方法です。使い分けが必要ですが、スパズムは圧迫法、硬結は揉捏法が多いです。筋以外の痛み部位は圧迫法しか用いません。その理由については当日解剖の所見を見ながら説明いたします。
セミナー参加費 | |
1名様 | ¥5,800+税 |