脳の科学から身体性の科学へ-リハビリテーション医療の進むべき道-(福岡)

【講師】
森岡 周 先生 
畿央大学大学院 健康科学研究科研究科 主任・教授

<アブストラクト>
「私の身体のように思えません」「思ったように(この身体が)動きません」といった自己意識は,患者の病態を示す発見的データです.大なり小なり,脳卒中患者はこうした意識経験を有しています.身体性は,Gallagher(2000)によって「自分の身体が自分のものであるという所有の意識(身体所有感)と「この自分の運動を実 現させているのは自分自身であるという主体の意識(行為主体感)」に区別されました.また,Gallagherは自己意識を身体性の観点から,minimal self(原始的自己)とnarrative self(物語的自己)に分けました.本講演では,脳卒中後に起こる身体性変容の病態(運動麻痺,学習性不使用,高次脳機能障 害,疼痛)あるいは運動器疾患後に起こる病態(異常知覚,疼痛)について自験データを含めて説明し,身体性システム科学の視点から,リハビリテーション医療の進むべき道を提案します.

出版記念‼「身体性システムとリハビリテーション科学2 身体認知」

内容紹介

これからの社会に必要とされる有効なリハビリテーション法の確立を目指すシリーズ全2巻。本巻では「身体認知」を扱う。幻肢をはじめとした身体錯覚やバーチャルリアリティなどのリハビリへの活用といった最新のトピックも収録。理学療法や神経科学に携わる人必携。

本シリーズは、脳と身体の関わりについて、システム工学的な方法論を用いて、リハビリテーションを対象として考えましょう、という趣旨で刊行された。このテーマは、今日迎えている超高齢社会において非常に重要なトピックであり、さまざまな議論がなされているものの、これまでそれに100%適合した学問分野がなかった。このような問題意識より、文部科学省新学術領域研究「脳内身体表現の変容機構の理解と制御(略称:身体性システム)」が2014年から5年計画で発足し、脳科学、リハビリテーション医学、システム工学という3つの分野の研究者が緊密なタッグを組んで「身体性システム科学」なる学問体系の確立を目指して研究を遂行している。本書は、その領域の成果の1つの集大成となる書籍である。ここでは、各執筆者が、各々の学問分野をベースとして、全体として共通して進む方向性を意識しつつ、執筆している。本書は脳科学、リハビリテーション医学、工学の学際領域に興味がある大学生以上の読者をターゲットとしている。




【開催日】平成31年1月20日(日)
【タイトル】脳の科学から身体性の科学へ
-リハビリテーション医療の進むべき道-
【開催地】福岡
【会場】電気ビル本館 地下2階 8号会議室
    (福岡市中央区渡辺通2-1-82)

【時間】10:00~16:00(受付9:30~)
【講師】森岡 周 先生
(畿央大学大学院 健康科学研究科研究科 主任・教授)




セミナー参加費
通常(1名様) ¥10,800+税
団体割(2名様)
¥10,800+税
1名様あたり
➡¥8,800+税
団体割(3名様~)
¥10,800+税
1名様あたり
➡¥7,800+税
※価格は全て1名様あたりの料金となります。