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佐野 恭子先生




「CI療法から学ぶこと」
~CI療法によって脳卒中アプローチの可能性を拡げる~

兵庫医療大学 リハビリテーション学部
  佐野 恭子先生









 CI療法とは、脳卒中などで生じた麻痺肢に対して、「適切な動機づけ」「患側上肢の戦略的使用」「正のフィードバックによる強化」を手法に、使用依存性の大脳皮質の再構成(脳の可塑性)にて、日常生活における麻痺肢の永続的な使用を試みる療法であると紹介され、適応基準・評価・訓練方法・セラピストの関わり方・考慮すべき要因などを、実践的な経験を踏まえ分かりやすく説明頂いた。
 その中で、対象者麻痺肢の改善が、上田式グレードで「1グレード以上の改善」を認められるという報告に加え、「姿勢の改善」患側下肢への加重が可能となることでの「日常生活動作全般の改善」が観られるケースが多く、注意障害やUSNの改善にも及んだ事例のあることも合わせて紹介された。
 さらに、まとめの中で、「CI的な療法」は、今後、老健・訪問・外来リハなどでの慢性期の対象者への可能性があり、CI療法の臨床での浸透が伺われる講演の内容であった。






~講義を終えて

 ~CI療法のイメージが変わりました~  ~先生のイメージも変わりました~
「 きっちり!決められた戦略」を健側上肢の固定で「確立された環境」を提供して展開されているもののみがCI療法であると思っておりましたが、CI的療法の視点をもってすれば、幅広く臨床の場で活用できることを知り、「目から鱗」でした。また患側上肢を使用することの重要性も再認識し、作業療法士として「反省」も致しました。
 佐野先生は、とても美人な先生でありますが、講演前の控え室では、一旦お話を始めると、とても気さくな先生で、作業療法士だな~と、親近感を感じました。「注意障害」と「大学」の話は特に盛り上がり、次回は是非、注意障害について、評価とその解釈についてなどのお話が聞きたいな~と思っております。お待ちしています。



森岡 周先生

「神経科学を用いた脳血管障害に対する
クリニカルリーズニング~上肢機能回復を中心に~」



畿央大学健康科学部  教授  
森岡 周先生






 脳の可塑性の原理に基づいた、新しいリハビリテーションの提供として、様々な脳機能解剖に基づく臨床的アプローチの提唱をする内容であったが、その中で特に、興味深い内容は、「一次運動野の機能解剖に基づく運動機能回復手続き」であった。
 「適切に動かす」には、その運動実行に先立ち、麻痺側での、「感覚性フィードバック」と「運動を予測するイメージ」を、シュミレーションすることが必要であることを、一次運動野・運動前野・補足運度野の機能解剖に基づいて講義でされた。
1次運動野には、系統発生的に古い吻側部(4a野)と、人で発達させた新しい領域の尾側部(4p野)があり、その4p野は、巧緻的に把持し操作するために大事な母指の神経細胞が豊富であるとのことである。この4p野の活動には、「運動のイメージの想起」が、重要であるということであった。
その事を踏まえ、麻痺側の把持訓練での運動実行に先立ち、麻痺側での母指の「感覚情報処理」、「運動イメージを伴う働きかけ」の過程が、訓練の中に含まれていることが、必要であることを提唱され具体的な訓練方法等を紹介して頂いた。



~講義を終えて~



~辺縁系から大脳皮質までの幅広い刺激のある!講演でした。~ 
  福山雅治の声に似てイイ声だな~と思いつつ、一瞬にして覚醒レベルの上がる
「色っぽ~い女性のスライド」から様々な「脳機能解剖の話」「具体的な臨床への応用の提唱」まで、内容幅広いお話で、私の脳は、辺縁系から大脳皮質まで、幅広い範囲賦活を受け、ここち良い疲労感と満足感を得ることが出来ました。
今回の講演内容は、ややもすれば、漫然となりがちな手指のアプローチに対して
脳機能解剖に基づいての訓練の「意味づけ」をもたらしてくれるものであることを感じ、
今まで、セラピスト自身の諦めかけていた、「手指」へのアプローチは、やはり必要で重要
なのでは!と再認識されられる思いを芽生えさせて頂く内容であったと思います。
 午前中のCI療法にも通じる内容であり、午前中の内容をさらに深く理解できる機会ともなり一緒に聞けて良かったな~と思いました。
 森岡先生、辺縁系をより賦活するスライドに期待して、次回の講演をお待ちしております。











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